「ことば」について ~療育の道標~ - 岡山市北区 児童発達支援 きもちとことばのはぐくみ教室

ごあいさつ

お知らせ

2018-03-16 22:53:00

法人代表・指導員の高橋です。

 

未就学児を対象とした早期療育に平成29年9月からたずさわり、まだ半年間程しか経っておりませんが、文献や研修会で勉強してきたことや、 療育にたずさわれている諸先輩方から見聞きしてきたこと、及び、この半年間で経験したことに基づきまして、下記を発信させていただきます。

 

多くの保護者の方が、お子さまの「ことばの遅れ」についてとてもご心配をされており、療育の道標として、できるだけ分かり易くお伝えできればと思います。
(今後、1年、3年、5年、10年と早期療育の路を歩んでいく中で、よりよく充実した内容にしていきたいと思っています。)

 

 

「ことば」には、次の3つの要素があります。

 

Ⅰ. 話しことば(音声言語):口から発せられる音としてのことばのことです。

Ⅱ. 頭で考える内容(言語):イチゴを見て「イチゴ」と言えるのは、「これは赤くて甘い果物で名前はイチゴだ」とわかっているからで、認知とか概念とか言われるものです。 
Ⅲ. コミュニケーション意思:このことを相手に伝えたいと思う気持ちのことです。考えることの内容があって発音する力があっても、伝えたいと思う気持ちがなければ、口から発せられる「ことば」とはなりません。

Ⅱ.の頭で考える力と

Ⅲ.の伝えたいと思う気持ち・人に向かおうとする気持ちが備わってはじめて
Ⅰ.の口から発せられる「ことば」が生まれます。

 

 

「ことばの遅れ」につきまして、自閉的傾向がある場合、主に下記の二点(の段階)が考えられます。

 

①発達(成長)がゆるやか:

からだ・感覚・手先なども含め、情緒面、物事の認知や理解など、全体的な発達がゆるやかだったり、発達のアンバランスがあり、その結果として、ことばの理解や獲得も遅れる。

②発話の意欲が小さい:

ことばを理解していても、人(外界)への興味や関心が少なく、相手にこのことを伝えたいと思う気持ちが育っていない場合、口から発せられる「ことば」の表出につながらない。

 

 

~療育の道標として~

 

①発達(成長)がゆるやか:

からだ・感覚・手先なども含め、情緒面、物事の認知や理解など、全体的な発達を促していく。 

 

ことばの理解や獲得は、建物と同じで、順々に積みあがっていくものであり、
・運動 *からだの動き、感覚統合(必要な情報を大脳に送り込むはたらき)を進める遊び*
・情緒の発達、楽しくあそぶ
・手先を使う
・基礎概念・認知を育てる *色・形・大小・数や量・空間認識・比較・順序・時など*
・いろいろな体験・経験を積む
・聴く力を育てる
・ことばで共感(代弁)する
・語彙を増やす *実物や経験にことばをそえる。

など、全体的な発達(成長)を促していくことを大切にしています。

 

②発話の意欲が小さい: 
療育者と一緒に様々な課題を体験し、「できた!」「やったー!」という経験をたくさん積んで、自分はできるという自己肯定感を高め、人と関わることは楽しい、人ともっと関わりたいという気持ちを育て、発話の意欲を大きくしていく。

 

そのためには、療育におきまして

【療育者】

 指示を出す。
【子ども】

 実行する。

*出した指示が実行できるように、取り組む課題の内容をスモールステップ(少しだけがんばったらできる)化し、また、視覚的に指示したり、療育者が手助けをして、できるようにする。
【療育者】

 ほめる。
*自分がうれしいという気持ちを心から表す。*
【子ども】

 表情が明るくなる(という場面を繰り返しつくりだす)。

 自己肯定感が上がる。

 人ともっと関わりたいという気持ちが育つ。

という輪をつくっていくことを大切にしています。