ごあいさつ
太田ステージ
当事業所は、「太田ステージ」に基づいて療育を行っております。
「太田ステージ」は、東京大学医学部附属病院精神神経科小児部で臨床研究・開発され、自閉スペクトラム症に対する治療教育として、医療・教育・福祉・心理など幅広い分野で実践されております。
【発達段階について】
StageⅠ:有意味語をほとんど持たず、しばしば情緒の不安定さ、睡眠障害、感覚の過敏さや鈍感さを持つ。幼児期には、多動が目立つことが多く、名前を呼んでも反応せず、人からの働き掛けに応じる構えが乏しい。
StageⅡ:言葉、遊び、模倣などいろいろな側面にわずかながらシンボル表象機能(何かを思い浮かべる力)の芽が認められてくる段階である。人への要求には複数の手段を持つようになる。しかし、人への関心の乏しさや興味の範囲の狭さが目立つ。
StageⅢ-1:物に名前のあることをはっきりと認識するようになる。対人関係の希薄さ、反響言語、独語、自分なりのきまりやパターン化した遊びなどが目立つ。
StageⅢ-2:対人関係の希薄さは少なくなるが、型にはまった言葉のやりとりや独特な質問癖などが目立つ。狭い興味内での高い記憶力、文字や数字、関心あることへの没頭などを示すことが多い。
【本人への働きかけについて:3つの次元から】
①第一次元のねらい:認知・情緒の発達を促す。シンボル表象機能(何かを思い浮かべる力)の発達と充実をねらいとする。
②第二次元のねらい:個々の適応行動の発達を促す。意思の伝達技能の獲得、人と関わる基本的な社会性の技能の獲得などを目標とする。
③第三次元のねらい:不安や拒否などによる行動を予防し減弱を図る。自分の力で行動をコントロールし、場面を理解した行動ができるようになることを目標とする。
(当事業所の開設時に、「認知発達治療の実践マニュアル 自閉症のStage別発達課題」の執筆者のお一人である染谷先生に岡山までお越しいただき、当事業所内にてスタッフへの研修を実施していただいております。)